昨夜はここ南仏も、カミナリと大雨がすごくて、眠れないほどの大音響だった。
犬もカミナリが怖いと見えて、私が寝ているベッドのまわりでずっとウロウロはぁはぁしていた。
フローリングの部屋を歩き回られるとコツコツ音がしてうるさいので、ベッド脇にお犬様の寝床を運んであげた。
お犬様も安心したのか、その後スヤスヤと眠っていたようだが、朝、リビングにきてびっくり。
リビングのあちこちにオシッコしまくったらしく、臭いこと、臭いこと・・・(;´༎ຶД༎ຶ`)
怖くてちびりまくるのか、認知症のせいなのかよくわからないけどトホホである。
犬の思い出
犬といえば、私が18歳の時に働いていた青果市場に「たつお」という犬がいた。
青果市場といっても私が競りに参加していたわけではなく、勤めていた食品会社の問屋がこの市場内にあった。
事務をしていたが、午前中は来客のお茶出しばかりの楽な仕事であった。
たつおは白い大きな犬で、誰かにいたずら書きをされるのか、いつも下がりまゆ毛が描かれ、体にもタツオと書かれていた。
動物愛護の方からは怒られそうだが、その様子のおかしさが、逆に出入りする業者の人に可愛がられていた。
たつおは午後になるとうちの店にやってきた。
乾きものばかりが並んでる店内には犬の食べられそうなものはなかったが、煮干しをあげたら喜んで食べたので、よく煮干しをあげた。
ある日、たつおのお腹が異様に膨らんできたのに気付いた。
たつおと書かれていたのでてっきりオスだと思いこんでいたがメスだった。
お母さんになるならもっと質の良い煮干しを食べさせなくちゃと思い、店内で一番高い煮干しを店長の目を盗んでよくあげていた。
それから数日間、たつおはなぜか姿を見せなかったが、ある日店にきたお客さんが、
場内(青果の中心となっているとても広い場所)にいる犬が動かなくてみな困っている。
呼んでもエサで釣っても、ガンとして動かない。
あのままだと保健所に連れて行ってもらうしかない・・・。
というので、もしや・・と思い見に行った。
わたしが「たつお!」と呼んだらなぜか立ち上がってこっちにトコトコ歩いてきた。
まわりに居た人は、どよめき、
いろいろしたけどかたくなに動こうとしなかったのに、おねえちゃんが声をかけたとたん動いた。
やはりかわいがってくれる人はわかるんだねえ。
これで何か美味しいもんでも買ってあげてと私に2000円よこし、ここで出産されても困るので、おねえちゃんがなんとかしてね。とのたもうた。
えええええ~~なんで私が!と思ったが、今にも出産しそうなたつおが尻尾を振ってスリスリしてくるのがいじらしく、会社の同期入社の山田君とともに、店の裏に段ボールと木箱のようなものでたつおの小屋を作ってあげた。
店長は苦味虫をかみつぶしていたような顔をしていたが、黙認してくれた。
高校卒業したばかりの学生気分のぬけない私たちに手を焼いていたのも事実だろうけど。
その後たつおは無事オス2メス3の5匹を出産した。
市場内で有名だったたつおの子が生まれたというので、いろんな人が見に来てくれ、子犬も次々にもらわれていった。
そして残された母、たつおもいつのまにかいなくなってしまった。
もともと野良犬で放浪してたから、きっとどこか行ったんだねと思っていたのだが、じつは、たつおは保健所に連れていかれたのだと、姿を消してから半年後くらいに知った。
青果市場という食べ物を扱う場所で、やはり犬がウロウロしているのは、問題があったのだろう。
近隣の店からクレームもあったという。
そんなことも気づこうとせず、ただ「かわいい」というだけでたつおをつれてきてしまった。
あのときの私に、なにか他の方法があったかどうかわからないが、結果的に私のせいで保健所に連れていかれてしまったと思うと、今でもせつない。
家に帰れず、汚庭仕事もできないので、つらつらと昔のことを書いてしまった。
普段犬の世話などしないので、このボケじいさん犬に粗相されると頭に来るが、たつおのことを思いだし、せめてここにいる間は大切にお世話をしようと思う。
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