与論島へ来たら絶対したかったこと、それは「作家 森瑤子」の眠るお墓に手を合わせることでした。
私が初めて森瑤子先生の著書を読んだのは「ジゴロ」が最初でした。
主人公の女優が、強くて美しいのに、本当は誰よりも傷つきやすく、でもどんなに悲しくても前を向いていく・・・という、とてもカッコいい粋な女性でした。
当時の私は男の機嫌をうかがうような弱い女でしたので(笑)あんな風に強く生きていきたいと思い、それ以降、森先生の書いた小説やエッセイを読み始めました。
森先生のお父様が最後の章を執筆した「甲比丹(カピタン)」やお嬢様のマリアさんが書いた「小さな貝殻」も読みました。
たぶん出版された本は、全部読んだと思います。
「恋愛の術はすべて森瑤子から学んだ」と言ってもいいほど、森先生の描く女性たちから多くのことを学びました。
とくに悲しいとき、苦しい時、森先生の言葉に泣いたり励まされたりして、過ごしていました。
また、「大人の女はカッコいい」と思わせてくれた「森瑤子の美学」にも憧れていました。
森先生のエッセイに何度もでてきた安井かずみさん(zuzu)がお亡くなりになったときに、「おすぎとピーコ」のピーコさんが、
森瑤子が逝き、zuzuが逝ってしまって、真の大人の女と言える人たちがいなくなってしまったわね・・・って悲しそうにコメントをしていたのを今でも覚えています。
自分の死期をきちんと見つめ、葬儀やお墓のことまで自分で決めた森先生の「最後の美学」を、私はずっと敬い、そしていつかお参りできることを願っていました。
赤いバラを供えさせていただきました。
森先生は、赤いバラがとても似合う方なので。
4面あるお墓にそれぞれ写真が埋め込まれていました。
華やかで、粋で、ステキな、ハンサムウーマンな写真ばかりでした。
シーサーが、ちゃんと守ってくれているんですね。
お墓から、青く美しいヨロンの海を眺めることができます。
現在、別荘はヨロンシーサイドガーデン(AM10:30~17:30)という名で解放されています。(入場料500円ドリンク付き)雨の日は定休日になるようです。
ご主人のアイヴァン ブラッキン氏が運営されているようで、よく森先生がご主人の器用さをエッセイに書かれていましたが、手作りのパティオや、南国らしいステキなお庭を見ることができます。
私たちが訪ねたときはちょうどお昼休みの時間だったので、入るのは遠慮したのですが、現在は(2023年6月8日)お昼もオープンしているようですね。
アイヴァン氏の心のこもったハンバーガーが食べられるようです。
森瑤子先生が亡くなられて、もう30年が経とうとしています。
ご存命なら今82歳で、カッコイイ粋なグランマになられているのでしょうね。
フェイスブックに森先生のアカウントがあり、よくエッセイに登場していたお嬢さまたちの現在の様子なども知ることができます。
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